レッドジャーニー代表の市谷聡啓による新著『組織を芯からアジャイルにする』が、本日7月21日刊行されました。
本書は、ソフトウェア開発におけるアジャイルのエッセンスを、「組織づくり・組織変革」に適用するための指南書です。ソフトウェア開発の現場で試行錯誤を繰り返しながら培われてきたアジャイルの本質的価値、すなわち「探索」と「適応」のためのすべを、DX推進部署や情報システム部門の方のみならず、非エンジニア/非IT系の職種の方にもわかりやすく解説しています。アジャイル推進・DX支援を日本のさまざまな企業で手掛けてきた著者による、〈組織アジャイル〉の実践知が詰まった一冊です。ぜひ、ご一読ください。
本書のエッセンス~4つの価値観と26の作戦
「組織アジャイル」4つの価値観
本書では、「アジャイルソフトウェア開発宣言」で示された4つの価値観を、組織変革に生かす「組織アジャイル」の価値観としてチューニングし、以下のことがらに価値を置いています。そして、この4項目こそが本書のエッセンスとなっています。
- 最適化に従うことよりも探索と適応を
- これまでの前提や判断基準よりも他者との間で新たに得られた関係や可能性を
- 固定化した文章よりも利用ができるアウトプットを
- プロセス、ツールよりも個人との対話を、そしてそこから生まれる互いへの関心を
組織の芯からアジャイルを宿す26の作戦
もうひとつ、本書のエッセンスとして、重要なキーワードを含む26の作戦をここに列挙します。本書では全5章を通じてこれらの作戦を詳解し、組織の変革への道を指し示します。
- 2つの変革を同時に取り組む(両利きの変革)
- 3つの最適化の「呪縛」を捉え直す
- 組織は戦略に従い、戦略は意図に従う
- 手元から始める、一人から始める
- 組織を「一人の人間」のように見立てる
- 探索と適応と最適化を周回する
- はじめるよりやめるほうを先立たせる
- バックログでチームの「脳内」を表す
- 「重ね合わせ」「ふりかえり」「むきなおり」の段階をたどる
- 同時に取り組む課題を一つに絞る「一個流し」
- 組織アジャイルの成熟度を測る
- 動的な動きを捉えるために仕組みも動的にする
- 関心を共通の意図によって近接させる
- 心臓のようにリズムを作ることで、血(関心)を組織に通わせることができる
- 組織アジャイル適用7つの原則
- アジャイルCoEの8つのバックログ
- 組織アジャイルの経験を問う5つの質問
- 具体的経験から概念化を得る「ものわかり」
- アジャイルの回転を再帰的に構造化する「フラクタル・アジャイル」
- ミドルの回転(マネジメント・アジャイル)4つの方針
- ゴールの連鎖と、適応の連鎖を繋ぐ
- OODAのO2(情勢への適応)を組織内で合わせる
- スプリントの数だけ、変わるチャンスを手にする
- 反復の刻みと解像度の調整(組織アジャイルの2つのかなめ)
- 組織アジャイルで働かせる2つのちから「求心力と遠心力」
- 組織アジャイルの4つの価値観
もくじ
- 第1章 われわれが今いる場所はどこか
- どうすれば組織を変えられるのか
- 組織が挑むDXの本質
- 組織の形態変化を阻むもの
- 第2章 日本の組織を縛り続けるもの
- 「最適化」という名の呪縛
- 目的を問い直す
- アジャイルという福音
- 組織はアジャイル開発の夢を見るか
- 第3章 自分の手元からアジャイルにする
- どこでアジャイルを始めるのか
- 組織アジャイルとは何か
- 組織アジャイルの段階的進化
- 第4章 組織とは「組織」によってできている
- 最適化組織 対 探索適応組織
- 四面最適化、時利あらず
- 血があつい鉄道ならば走りぬけてゆく汽車はいつか心臓を通るだろう
- 第5章 組織を芯からアジャイルにする
- 組織の中でアジャイルを延ばす
- 組織をアジャイルの回転に巻き込む
- 組織の芯はどこにあるのか
詳しくは、こちらの特設サイトをご覧ください。
関連イベントのご案内
ソフトウェア開発におけるアジャイルのエッセンスを「組織づくり・組織変革」に適用するための指南書「組織を芯からアジャイルにする」の出版記念として、HCD-Net(人間中心設計推進機構)様の主催で開催されるオンラインイベントに、著者である代表の市谷が登壇いたします。
〔日時〕 2022年7月29日(金)18:30~20:30(18:20受付開始)
〔形式〕 オンライン(Zoom)
〔参加費〕 HCD-Net正会員/賛助会員:1,000円
HCD-Net学生会員:500円
一般:2,000円
一般学生:1,000円
〔お申込み〕 https://hcdnet20220729event.peatix.com
※Peatixへの登録が必要です。詳細は上記サイトにてご確認ください。