若い職員がこれから直面する困難を乗り越える糧に

── 研修を終えてみて、あらためて感じられるのはどんなことでしょうか?

今回のように新しい考え方を学ぶ研修は初めてで、どういうリアクションが出てくるか、抵抗感が強いのか、実践につなげてもらえるか、気になっていましたが、蓋を開けてみると「こういった新しい考え方を学べる研修を実施してくれて嬉しい」という声が聞かれました。

仕事に対して潜在的なバイタリティを持っている人がいることは新たな気づきでした。

── アジャイルのような考え方、動き方は民間企業でもまだまだこれから取り入れていく感じがあると私は思っていますが、自治体で働く皆さんから見てアジャイルはどう捉えられていますか?

公務員は、民間企業と比べると手続き上のことなどもありどうしても意思決定に時間がかかるところがあります。

また、民間企業でもそうだと思いますが、個人の考えが100%活かされるわけではなく、組織の構造の中で路線変更を余儀なくされることも当然あります。

仕事には様々な内容が含まれますので、アジャイルの概念を導入してカイゼンできるものばかりではないかもしれませんが、若い職員は知識を持つことでこれからぶつかる困難を乗り越える糧となるはずです

私自身のこれまでの業務や経験と照らし合わせてみても、今回のレジュメや市谷さんの書籍に書かれていることに共感する部分がたくさんありました。

アンケートには、リーダーや管理職といったマネジメント側の人にも受けてほしいという声もありました。部下の考えと上司のマネジメントをマッチさせてより良い方向へ持って行くという点では、アジャイルの考え方が活かされるのではないかと思います。

マネジメントのスキルを向上させるという意味でも、アジャイルへの需要は高いのではないでしょうか。

── そうした感想が聞けたのは非常に良かったです。現場担当者の方だけではなくマネジメント層の方にもアジャイルを知っていただくことで、より広がりが生まれると思います。

(資料スライドより)

まずは触れてみることが大事。アジャイルに限らず新しい概念や知識に触れる機会を

── 今後の展望をお聞かせください。

まずは、この研修をもっといろんな人に受けてほしいと思っています。

今回は「パワーアップ研修」という位置づけで、若手から中堅まで幅広い世代の職員が参加しました。定年退職後の再任用の方も中にはいらっしゃいました。

日常業務が忙しくて研修に参加したくてもできないという人は、特に管理職では多いと思います。

研修を2日間通して受けられなくても、そういう考え方があるということだけでも知ってもらえたら、普段とちょっと違う思考にもつながります。「こういう考え方があるんだよ」ということを、いろんな形で伝えられたらいいなと思います。

また、アジャイルに限らずいろんな新しい概念や知識に触れる機会をいろんな人にもってもらいたいというのは、研修の仕事をしていて強く感じるところです。

あとは、デジタルリテラシーも合わせて育てていかなくてはならないと感じています。

研修で使用したmiroやSlackといったオンラインツールに慣れていない職員も多いですし、Zoomは使えてもTeamsとなると使える人がほとんどいないのではないかと思います。

── 慣れないツールを使うことがボトルネックになることがありますので、今回miroを使ったことは実はチャレンジだったと思いますが、皆さん乗り越えられていましたね。今後の業務でも活用していただけたらいいと思います。

はい、積極的に使っていけるといいと思います。通信環境などのハード面についても見直しをして、今後はよりスムーズにできればと考えています。

── これからアジャイルに取り組もうと思われている方や、なかなか進まないと思っている方に向けて、メッセージをお願いします。

新しい概念や聞き慣れない言葉だとしても、まずは触れてみていただきたいなと思います。

書籍を読んだり講義を聞いたりするだけでも、まず一歩踏み出してみること、そしてその内容をどう仕事に活かせるか考えるだけでも全然違うと思います。

熱意のある人もきっといると思いますので、取り入れられれば業務改善などに間違いなくつながっていくと思います

── ありがとうございました。

研修の概要

講義

  • はじめてのアジャイル
  • ふりかえり・むきなおり

実践演習

【1日目】

  • 仮説キャンバスを利用して仮説を立てるワーク
  • オンラインホワイトボードツール「miro」を使用
  • 講師からのフィードバック
  • グループ内での共有と、共有に対するフィードバック

【1日目と2日目の間の1カ月間】

  • 仮説キャンバスをもとに検証を行う
  • 週1回、チャットツール「Slack」を使用して報告

【2日目】

  • 「ふりかえり」と「むきなおり」のワーク
  • グループ内での共有とフィードバック
  • 全体での共有
  • 研修自体の「ふりかえり」
  • まとめ