代表の市谷による連載コラム「DX時代の情報システム部門のあり方、そして役割とは」 第01回 1980年代の呪縛に挑む日本のDX が公開中です。ぜひご覧ください。

■ 概要

  • 2021年において垣間見える日本の「DX格差」
    日本のDXは本当のところどの程度進んでいるのでしょうか。コロナ禍がDXに与えた影響はどのようなものなのか。日本のDXの今ここを知る上で、題材となるのは経済産業省が発信している「DXレポート」です。2018年に第1弾が、2020年末に第2弾が中間まとめとして提供されています。
    DXレポート2で強調されるようになったのは「変革の推進」です。レガシーシステムの刷新という方向性から、いかに変革を推進していくか、DXレポート2では舵切りが行われています。というのも、2018年の風景から2年が経過して見えてたきたのは、実に9割以上の企業がDXを進められていないという結果だったのです。
    しかし、この結果は筆者の肌感とは合わないものでした。大企業から地方の企業、また政府内においてDX推進の支援を行うなかで見える風景は、上手くいっているかどうかはさておき、探索的にDXへと取り組む組織の姿です。苦戦しながらも、とにもかくにも前に進もうとする風景であり、「9割がDXを進められていない」という感覚からはやや遠さを感じるところでした。
    つまり、DXへの取り組みを始めている組織は、失敗も含めて結果を得てさらに前進をしようとしている。その一方で、未だ「DXとは何か?」という認識で止まっている企業もある。この「DX格差」とも言うべき状況が、日本のDXの今ここであると考えられるわけです。
  • 1980年代の呪縛を解き放てるか
    DXに取り組む企業に求められることは、既存事業か新規事業かに依らず、探索のケイパビリティ(仮説検証&アジャイル)の獲得になります。筆者はここがDXにおける一丁目一番地と捉えていますが、実際に進めるにあたっては相当な困難に直面します。
    その背景には、日本企業がこれまで競争優位性を築くために磨き込んできた「選択肢を減らし、絞り込み、集中する深化の能力」があり、強みとしてきた能力が逆に足かせとなる現状をして、筆者は「1980年代の呪縛」と呼んでいます。DXに取り組む組織は、この呪縛の存在を認識し、「組織の全般にわたって意思決定に影響を与えている」という状況を踏まえて変革にあたらなければなりません。
    こうした状況は絶望的に感じるかもしれませんが、逆に言うと日本の組織内はやれることだらけ、探索能力の強化に関しては何を取り組んでも今より良くなる、と言えます。1周回って、日本のDXには希望がある、そのように捉えています。

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