未曾有の新型感染症流行による生活スタイルの大きな変化を引き金として、日本のDXは飛躍的に進んだと言えます。有名企業や大企業における事例は非常に多く見られるようになった一方で、地方の中小企業での取り組み事例はまだあまり共有されていないのが実情ではないでしょうか。
 私たちレッドジャーニーは、日本企業の99%以上を占める中小企業や地方企業でのDX推進が必要と考え、支援に取り組んでいます。4月に開催されたRed Conference AprilのDay3では、「地域DXの実践記」と題して、静岡市のDX支援事業として市内の企業に伴走支援を行いつつ、ともに進めてきたDX推進活動の全体像をお伝えしました。現場支援をするなかで見えてきたのは、地方・中小企業DXのもつ大きな可能性です。DX活動に欠かせない「仮説キャンバス」をチームで効率よく作成できる自社開発ツール「RedHub」の開発記と合わせて、DX最前線の様子をご紹介します。
※記事の内容は、イベント開催当時(2022年4月)の情報です。

前編はこちらです。

地域DXの実践記

田中基淳 Motoaki Tanaka

SIerでDevOps周辺の導入・改善などの取り組みを経て、社内のアジャイル開発推進担当としてフロントエンド開発を中心に、XPの実践・アーキテクチャ考案・開発者教育に従事。
Red Journeyにジョイン後は、プロダクト開発を実践しながら、開発チームを体制面・技術面で支援する活動を行っている。
CSM(認定スクラムマスター)

取り組みの概要

全国にある企業の99.7%は中小企業です。日本全体の活性化のためには地方の中小企業についてもDXを推進し、新たな付加価値を生み出していく必要があります。私たちレッドジャーニーは、DXは都市部の有名企業や大企業だけではなく、地方の企業や中小企業にも必要と考え、地域DX推進の活動に取り組んでいます。

今回は、地域DX推進活動のなかから、「静岡市中小企業アクセラレーションDX支援事業」についてご紹介します。静岡市主催による市内の中小企業向けの事業創出・業務変革支援プログラムで、しずおかDXコンソーシアム(静岡鉄道、静岡銀行、静岡ガスにより設立された地域DX推進のための任意団体)と連携しながら、レッドジャーニーが支援を行いました。デジタル技術を活用して業務変革を目指す企業の活動を支援すべく、参加企業を対象に約半年間のプログラムを伴走しました。

参照:静岡市ホームページ
参照:プログラム終了後に行った静岡市の担当者の方との対談記事

【プログラム1】ゴールデンサークルの作成

キックオフでは、講義でDXの基本部分を確認したあと、ゴールデンサークルDX戦略マトリックスを作成して、大きな方向性の整理を行いました。「これまで自社がなんのために存在し、どのような強みを活かして事業を進めてきたか」「これからどういう姿に変わりたいのか、そのために何が必要か」について、1枚ずつゴールデンサークルを作成し比較することで、「今後ありたい姿に対して何が不足しているのか」「これまでの自社の強みを活かした姿になっているか」を確認しました。

※ゴールデンサークルとは、アイデアを考え整理する際に使われる「なぜ/どうやって/何を」の3つの円で構成されたフレームです。アイデアを人に伝える際にも、このフレームを利用することで、より共感を生みやすく、本質を理解し、行動を促進しやすくなります。

【プログラム2】DX戦略マトリックスの作成

ゴールデンサークルを作成する過程で出てきた具体的な施策を、取り組むべき優先度を整理するために作成したのがDX戦略マトリックスです。縦軸は顧客、横軸は課題の変化を表し、それぞれに既存新規に分類します。既存の顧客向けの、既存の課題に対する施策は比較的不確実性が低いのに対して、まったく新しい顧客向けの新しい施策は不確実性も難易度もより高くなります。

参照:しずおかDXコンソーシアムでのワークショップ「DX戦略マトリックスを考える」

【プログラム3】仮説キャンバスづくり

取り組む事業アイデアが見えてきたところで、仮説キャンバスを使って事業の全体像を整理していきました。「どのような目的で事業をやるのか」「どのような顧客がいて」「顧客はどのような課題を抱えていて」「その課題をどのように解決するソリューションを提案するのか」などについて具体化、解像度を上げていきます。この過程は、「想定している顧客が実在するのか」「顧客が抱えている課題が実在するのか」「顧客の課題に対するソリューションが本当に有効なのか」といった仮説を検証する活動につながります。検証した結果、方向性が違うことに気づくこともあり、何度もアップデートしなおしながら進めていく必要があります。

【プログラム4】ロードマップの整理

事業の全体像を捉えられたら、次にやること、中長期的に進めたいことを洗い出し、最終的な目標を達成するためのロードマップを整理します。そして、ロードマップをもとに具体的な取り組みを実施していきました。

プログラム参加者からの声

参加企業の皆さまからは、「仮説検証やアジャイルの重要性を実感できた」という声が多く聞かれました。仮説を立て、検証し、何度も方向性を軌道修正しながら取り組みを進めていくことの価値を感じてもらうことができた点に、大きな手ごたえを感じています。

【参加者からの声】

  • 徹底的な事業アイデア・事業仮説についての深堀りをすることの重要性が身にしみた
  • 一度アイデアを作成するだけで終わりではなく、何度も描き直し、方向性を変えながら進めていく必要があると理解できた
  • スモールスタートの重要性が理解できた
  • 構築する上でも、まずは小さなところから運用を開始してみて、そこから得られた結果からフィードバックを得て、カイゼンして展開していくことで心配の可能性を減らすことができる

取り組みで感じた地方企業の特色

地元地域や行政を絡めた事業アイデアが出てくる

地元の素材や木材を活用したプロダクトのアイデア、地元のローカルで開催されるイベントを絡めた事業アイデア、行政を巻き込んでの事業構想などが出てくるのは、地域に根づいた活動をされている地方企業ならではだと感じました。

社長・役員など経営層・意思決定者層が実践者として参加している

意思決定層が実践レベルでDXに取り組む様子は、スタートアップに近いと感じました。

あらためて、日本のDX推進に必要なこと

企業が成長・存続し続けるためには、地方でも都市部でも差はなく、常に事業に向き合い、目標を立てて一歩足を踏み出し、転んでも再度立ち上がって前に進むことが必要であると再認識できました。参加企業の皆さまも、仮説検証を駆使し、もがきながら進むしかないと実感されたことで、DXは「銀の弾丸」を得られれば何とかなるという当初のイメージを塗り替えていました。

地方DX推進活動のもつ可能性

今回は実践をメインにした取り組みを行い、地方企業の業務変革の着実な第一歩を踏み出すことができました。何より、参加企業の皆さまが自社の「これまで」をふりかえり、「これから」の事業とあらためて向き合い、模索していく姿勢やマインドセットを醸成することができたところに大きな成果を感じています。

今回の取組みが、地方におけるDX推進の好事例となったことは間違いありません。市の担当者様からも、「県下企業のDX業務変革における支援のいい事例となりました」という声をいただきました。

意思決定層を巻きこみながら活動することができれば、地方でのDXの取り組みはスタートアップや都市部の企業にも引けを取らない「DXの起爆剤」となるのではないでしょうか。

引き続き、皆さまとともにDXに取り組み、知見を地方企業・都市部企業で相互に活用しながら広く展開・発信していきます。ぜひ皆さまも、この輪に加わっていただき、ともにDXの起爆剤となって日本全体を活性化していきましょう。

プロダクト開発支援ツール「RedHub」の紹介と、その開発現場より

濱口知也 Tomoya Hamaguchi

濱口 知也

事業会社で仮説検証型アジャイル開発を導入し、実践、社内展開を経験し、プロダクトオーナー代行、プロダクトマネージャー、スクラムマスター、アジャイルコーチなどの役割を務めてきた。

現在は、現場のプロジェクトマネジメントを支援しつつ、経営とつなぎ合わせる立ち位置で、企業のプロジェクト全体を滑らかに進める取り組みを手掛けている。

今日のトピックス

プロダクト開発支援ツール「RedHub」を使った仮説検証プロセス

新たなプロダクトやサービスを生みだすときや、社内で組織変革の取り組みを具体的に進めるとき、私たちは「はじめの一歩」を踏み出すために「仮説検証」が必要だと考えています。
仮説検証とは、仮説を立て、その「たしからしさ」を検証する活動です。具体的に何をするべきなのか、プロダクトならつくるべき機能やインターフェイスなどの妥当性を担保しながら検討を進めます。仮説には、「その価値を誰に届けたいのか」「誰の、どんな課題を解決するためのものなのか」といった、価値を届けるために整えておくべき項目が必要です。それらを分かりやすくまとめたものが仮説キャンバスです。

仮説キャンバスは、14の問いのエリアで構成された仮説整理のためのフレームです。全体像を見通しやすい一方で、細かいことまでは書ききれないという特徴があるため、重要なことに焦点を絞れるというメリットがあります。

「RedHub」は、これをチームで作成するためのツールです。レッドジャーニーのこれまでの経験や知見をもとに開発され、オンラインで、同時編集をしながら取り組むことができる点が強みです。

対象は、プロダクト開発の文脈ではもちろん、組織変革に関わる方すべてです。レッドジャーニーが支援や研修を行った企業で使っていただいており、レッドジャーニーの社内でも新しい取り組みをする際は「RedHub」を使って議論をしています。Red Conferenceでも当日を迎えるまで「RedHub」を使って議論を重ねました。「RedHub」上で作成した仮説キャンバスを提出する形でアイディエーションプログラムを進めている企業もあります。

クライアント企業の皆さまと、実際の現場でどのように「RedHub」を使い仮説検証を進めているのか、具体的にご紹介します。

最初に検証計画を立てます。プロダクトオーナー、プロダクト推進担当チーム、開発チームで最初に目線合わせをして、開発前にプロダクトの構想をチームで深めるほか、2周目以降の仮説検証や開発が進んでからのカイゼンでも「RedHub」を中心とした議論を行います。
次に、仮説立案を行います。具体的な仮説を付箋でキャンバスに表していきます。
次のステップは検証です。計画に基づいて仮説を検証し、結果を踏まえて仮説をアップデートします。これを何周も繰り返し行ううちに、開発すべき最初の機能を定義したり、具体的な施策の検討をしたり、追加の検証をしたり、検証過程で新たに出てきた仮説の検証を進めたりといった次の判断ができるポイントが訪れます。

今後は、「具体的にユーザーがどんなフローを踏むのか」「開発者に渡すにはどういうタスクにすればいいのか」などのプロダクト開発に必要なことをもっとできるようにするほか、組織変革を進める方にも、より有効に使ってもらえるような機能を充実させたいと考えています。

「RedHub」開発の現場~プロダクト開発のカイゼン実践記~

「RedHub」の開発にあたっては、開発チームとプロダクトオーナー(以下、PO)が一緒に定期的な「ふりかえり」(レトロスペクティブ)をしています。ふりかえりで顕在化した課題に対して、自分たちで次のアクションを考え、カイゼンしながら進めてきた道のりをお話します。

開発チームは、副業やフリーランスのメンバーとレッドジャーニーのメンバーとで構成されており、全員の稼働時間がバラバラな非同期のチームです。週に1回の定例会で、スプリントレビューとプランニングを30分ずつ行います。初期は作るものが明確だったため3人のエンジニアのみによるチームでしたが、中期以降はレッドジャーニーのメンバーがPOとして参加し、動作の受け入れ確認などをより重視するようになったため、よりプロセスが複雑化しました。それにより引き起こされた問題に向き合った結果、新たな取り組みが生まれました。

プロセスの複雑化により生じた問題と新たな取り組み

  1. 【実感開発】開発チームがより実感を持って開発に臨むために
  2. 【イベント上達テク】プロダクトチームがスクラムイベントをよりうまくやるために
  3. 【非同期チームのコツ】プロダクト運用のために非同期チームだからこそ工夫したこと

1.【実感開発】開発チームがより実感を持って開発に臨むために

ユーザーと直接の接点を持つことができるPOと違い、開発メンバーはPOを介してユーザーの様子を知ることになります。開発者はユーザーがどんな機能を欲しているのか、どんな風に使っているのか実感が持てず、POの意図がうまくつかめないまま開発を進めてしまったり、レビューが長引いたりといった問題が起きていました。「このプロダクトが本当に価値を生んでいるのかが分からない」という開発メンバーの言葉は大きな衝撃でした。
また、具体的な手ごたえやリアリティの欠如は、開発者のモチベーションやプロダクトに対するオーナーシップの減退につながっていきました。

そこで、POが普段クライアントと一緒に取り組んでいる、仮説キャンバスを使ったワークショップを、開発チームでやってみることにしました。開発メンバーにはクライアントになりきってもらい、「仮説キャンバスとは何か?」というガイダンスから始め、書き方の説明やアドバイスも、クライアントへの対応同様に時間をかけて行いました。その結果、開発者はユーザーの実際の使い方を理解し、実感をもって開発に臨めるようになりました。いわゆる「ドッグフーディング」と呼ばれるこの手法は、私たちにとって非常に効果がありました。

2.【イベント上達テク】プロダクトチームがスクラムイベントをよりうまくやるために

スプリントレビューやプランニングなどのスクラムイベントについては、こんな課題がありました。

  • 時間がかかりすぎる
  • POがファシリテーターを兼ねていたことで、イベント前後のPOにかかる負荷が重い
  • スプリントゴールを設定しきれていないことでタスクが積み残されてしまう

通常のふりかえりに加えて、スクラムイベントに特化したふりかえりを行った結果、「あえてチーム外のレッドジャーニーメンバーにファシリテーションをお願いしてみよう」というアイデアが出ました。実践してみると、さらにいろんなアイデアが出てきました。

  • ファシリテーターを開発者で輪番制にする
  • POはPOに集中する
  • スプリントゴールを明確化する
  • イベントのタイムボックスの目安やアジェンダを用意する
  • 飛躍的なアイデアの質問

思い切って他の人に頼るという方法は、ちょっと斜め上の解決策かもしれませんが、結果から自分たちで差分を考え型をつくれたことは大きな成果です。

ファシリテーターを開発者で輪番制にすることで、POは本来の仕事に集中できるようになりました。イベントのタイムボックスの目安やアジェンダをあらかじめ用意しておいたことで、ファシリテーション経験が少ないメンバーでも安心して取り組めたと思います。POに偏っていたオーナーシップがメンバー全員に拡散し、チームとしての一体感もより強まりました。

タスクのボリュームや難易度に左右されがちだった開発の進め方は、スプリントゴールの明確化によって優先順位が整理され的確に処理されるようになりました。

「飛躍的なアイデアの質問」としては、「馬鹿げていてもいいからアイデアを話そう」ということで、そのための時間をアジェンダに組み込みました。事前に取り組んでいたドッグフーディングの影響も大きかったと思いますが、積極的にアイデアを出しあえたことでチーム感がさらに高まりました。

3.【非同期チームのコツ】プロダクト運用のために非同期チームだからこそ工夫したこと

非同期チーム特有の問題として、このような状況がありました。

  • タスクの待ち時間が長い(稼働時間帯のズレ)
  • 障害が起きたときの対応が遅れる
  • タスクをこなすだけになりがちでカイゼンのための話し合いができない

そこで、開発チームが主体となり、まずは情報・ドキュメント管理を工夫しました。具体的には、議事録やリリースごとの手順などあらゆるものをドキュメントとして書き出し共有しました。

また、都度日程調整をしながら30分ほどのミーティングを行うことにしました。課題の棚卸しや大きな機能開発の開発者デモ会、障害対応についての話し合いをし、障害対応については当番制にしたり、一次対応までの時間を決めたりといった対策をとれるようになりました。チャットやドキュメントによる情報共有に加え、同期的なコミュニケーションが選択肢に加わったことで、情報の共有方法も必要に応じてうまく使い分けられるようになりました。また、非同期という制約が絶対的なものではなく、工夫することで柔軟に対応できるという気づきも大きかったと思います。

そして、スプリントゴールを達成できるかどうかの自信度を共有しました。チャットに「ファイブフィンガー」というチャンネルをつくり、ゴールが達成できるかどうかの自信度を、毎日5段階で表します。早めにアラートを出せるようになったことで、メンバー同士フォローし合えるようになりましたし、スプリントゴールに直結するタスクを優先してフォローし合うことで、スプリントゴールの達成度も上がりました

問題に一つずつ丁寧に向き合う必要性と、「制約」の正体を見極める大切さ

「RedHub」の本質は、仮説キャンバスを使って仮説を立案し整理する枠組みです。その本質的な価値を磨き続けることが大切で、検証による学びの積み重ねがチームのカイゼンにつながります。カイゼンはステップ・バイ・ステップで、できるところから一歩ずつ取り組むことが大切です。問題に一つずつ丁寧に向き合う必要性と、制約が「本当に制約なのか?」を見極める大切さを学ぶことができたと思います。

また、私たちがそうだったように、行き詰まったとき思い切って外からの支援を受けることで、現場に楽しさやいい流れを取り戻せることがあります。私たちレッドジャーニーは、DXの取り組みに不可欠な「現場での取り組み」への伴走支援にも取り組んでいますので、必要なときはお声がけいただけたらと思います。私たちが開設したコミュニティ「プロダクトづくりをともに考える会」では、アジャイル開発や仮説検証に取り組む、多様なバックグラウンドを持った仲間と出会えます。興味のある方は、ぜひご参加ください。

Red Conference を終えて、レッドジャーニーメンバーより

DXの話、アジャイルの話、現場の話、組織運営の話、いろんな話がありました。何か一つでも持ち帰っていただけるものがあれば嬉しく思います。様々な現場の課題解決に対してご支援していますので、お気軽にご相談ください。

新井

いろんな現場の方がいて、何一つとして同じところはないと思います。DXもアジャイルも、何かを持ってきてうまくいくようなものではありませんが、共通する学びや発見はあると思います。ぜひ、皆さんの現場で試してみて、そこから自分たちなりの何かを見つけていただけたらと思います。

中村

多数の企業の方々にご登壇いただき、広く知見を発信できる良い場になったのではないかと思っております。DXに取り組むにあたって、多くの壁が立ちはだかりますが、世界を良くしていく希望につながるような活動に、ともに取り組んでいきましょう。くじけそうなときはご相談ください。

田中

全6回のカンファレンスを通して多くの企業の方々にご登壇いただき、取り組みの事例やいろんなヒントをお話しいただきました。各社の状況はさまざまですので、DX正攻法や銀の弾丸のようなものはありませんが、着実な一歩を確かめながら進んでいく取り組みを、コミュニティを含め、皆さまとともに歩めたらと思います。うまく進まない時は、組織を越えた仲間とともに手を取り合ってやっていきましょう。

濱口

このメンバーで、伴走支援をしながら、皆さまとともに組織を芯からアジャイルに、そしてDXを加速させていけるよう取り組んでいきたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

森實

何かを変えていくときには「From-To」が大事です。「どうなりたいか」という「To」の方は描かれることが多いと思いますが、実際は「どこからどこへいくのか」、つまり、「どれだけのギャップがあって、どう乗り越えていくのか」を見通すための「From」が大事で、ここが意外とわかっていないことが多いのではないでしょうか。ギャップを知り、足りないものを補っていくうえで必要なことは、「アジャイルにものを考え、取り組むこと」に尽きるのではないかと、DXの様々な支援をしていて思うところです。組織のあらゆる活動で、アジャイルな意思決定と行動ができるようになることを目指していくことがDXの一つのあり方なのではないかと思います

今回ご登壇いただいた、ともに取り組んできたクライアント企業の皆さんのお話は、まさしくいろんな形でのアジャイルの取り組みについての話でした。今後も、ともに取り組むなかで新たに分かったことがあれば、適宜皆さんと共有しながら進んでいきたいと思っています。ぜひ、今後ともレッドジャーニーをよろしくお願いします。

市谷

前編はこちらです。

仮説検証型アジャイル開発